来週7月19日(土)14:00より文哲研の共催セミナー「土曜の放課後2」の第5回目が開催されます。「土曜の放課後2」は全12回の連続セミナーとなっており、過去の哲学者や思想家に現代的なトピックを掛け合わせた講演を行っております。よろしければお申し込みの上、ご参加くださいませ。
第5回「スピノザと人新世」
学校の授業では、スピノザの哲学とは「汎神論」だと習います。しかし汎神論とは何なのか? 字面からすると、世界の至る所に神様がいると言っているみたいですが、それはスピノザとは無関係です。スピノザ哲学の核心は、神と自然とは同じものだということです。これは神についての伝統的な考えからすると異端、無神論、唯物論ともみなされます(だから命を狙われました)。一神教的な神は精神的なものの極致です。それが自然と同じということは、神から精神的なものを分け与えられている人間も、自然と同じということになります。つまりスピノザ哲学を徹底すると、人間と自然との間に対立はなく、人間はその精神も含めて自然の一部ということになります。
「人新世」というのは、人類の文明活動が地球環境に影響を及ぼし始めた時代に、新たな地質年代として与えられた名前です。それはいつから始まるのかと言うと、1万2千年前の農耕革命以降、産業革命以降と色々解釈がありますが、いずれにしても二酸化炭素による地球温暖化などの環境問題に関してよく引用されます。人新世という考え方の背後には、人間と自然とを対立したものとみる、素朴な哲学的信念があります。そうした単純な対立は私たちの常識の中にも潜在していますが、それこそスピノザが乗り越えようとした思考の足枷です。スピノザは西洋の哲学者ですが、精神と自然とを同一視する思想は西洋的ではなく、そもそも西洋/東洋という枠組みには収まりません。
第5回はそうしたスピノザ哲学に照らしつつ、現代文明と地球環境との関係についてあらためて考えてみたいと思います。(吉岡 洋、哲学とアートのための12の対話 2025「土曜の放課後2」公式ページより引用)
哲学とアートのための12の対話 2025「土曜の放課後2」(公式ページ:https://yxy.kosugiando.art/)
| 日程 | 2025年7月19日(土) |
| 時間 | 14:00 〜 16:00(受付開始:13:30) |
| 会場 | 京都市立芸術大学 京都市下京区下之町57-1 (京都市立芸術大学 C棟3F 講義室7) |
| 参加費 | 通常1,000円/回 (京都市立芸術大学、京都芸術大学の学生は参加費が無料です) ※ 前日までに下記からお申し込みください。 ※ 参加費は当日、会場受付にて頂戴します。 |
| 申し込み | https://yxy.kosugiando.a/form/contact.php ※ 前日までにこちらのフォームからお申し込みください。 |
| 記録映像視聴 | https://yxy.kosugiando.art/form/contact_video.php 通常3,000円/10回 (京都市立芸術大学、京都芸術大学の学生は無料です) ※第2回から第11回までの記録映像をネット上で視聴いただけます。 ※ ご希望の方はこちらからお願いします。視聴費は講座日でのお支払い、あるいは銀行振込となります。お支払い確認後に限定公開アドレスを連絡します。 |
| 主催 | 土曜の放課後・実行委員会 (植田憲司、吉冨真知子、谷本研、二瓶晃、由良泰人、大西宏志、安藤泰彦、小杉美穂子) |
| 共催 | 京都芸術大学 文明哲学研究所、京都市立芸術大学 加須屋明子研究室 |
哲学とアートのための12の対話 2025「土曜の放課後 2」
土曜の放課後。かつては会社も学校も土曜は午前だけ、午後はお休みでした。2002年に学校にも週休二日制が導入されたので、もはや「土曜の放課後」は存在しません。それでもこの言葉を聞くと私たちは、たんなるノスタルジーを越えた何かを感じるのではないでしょうか?
放課後とはいってみれば「ポカンと空いた時間」でした。何をするのでもない、何のためでもない時間。今の生徒たちは学校の後も部活や塾などで忙しいかもしれません。現代では誰もが、できるだけ無駄な時間を作らないように追い立てられています。休息や遊びですらそのための場所や時間が用意され、何のためでもない時間はなくなりました。
「哲学とアートのための12の対話」の出発点は、室井尚さんが強調した「考える=迷子になる」です。迷子になるには「何のためでもない時間」が必要であり、その点が、この催しが普通の教養講座とは違うところです。「考える」ためにあえて「ナビ」を捨て、土曜の放課後のような「ポカンと空いた時間」に赴くことが大切なのです。
2023年度は「現代を問う」というサブタイトルで、室井さんと共に計画していた12のトピックについてお話した後、参加者の間で対話しました。2024年度「土曜の放課後」では、全12回のうち5回、様々な分野で活躍されているゲストをお呼びし、彼らとの対話を織り交ぜながら進めました。2025年度「土曜の放課後2」においては、過去の哲学者や思想家に現代的なトピックをぶつけてみるという、時空を超えた「対話」を試みたいと思います。
吉岡洋 + 土曜の放課後・実行委員会

