「Q&A」は、お問い合わせフォームに寄せられたご質問にお答えするコーナーです。
Q:芸術に経済価値とは別の価値があっても、芸術家は経済と無縁では生きていけませんので、そこをどう折り合いをつけていけばいいのでしょうか。先生にぜひお伺いいたしたく思います。
A:その折り合いを付け方にはいろいろあります。いちばんいいのはお金の心配をしなくていいような環境を獲得すること、あるいは誰か優秀なマネージャーのような存在がいると楽なのですが、そんな恵まれた人は稀ですからね.
現代の芸術家は多かれ少なかれ自分でマネージメントすることを要求されるし、実際みんなやっています。外向きには自由奔放な「芸術家」を演じながらマネジメントの部分を隠す人もいれば、意識的に商売人のようなキャラを出してそれを面白く見せるというタイプの人もいます(具体名はあげにくい。一般論です)。
どういうやり方が正しいということはないと思います。自分で試行錯誤しながら、自分に合った折り合いの付け方を経験的に探っていくしかない。しかし芸術家に限らず、それが生きるということであって、ある程度世の中との折り合いを楽しめるようになることが強さだと思います。
たまたま折り合いがうまくいきすぎて売れてしまい、自分としては芸術的価値を認められないような自己模倣の大量生産が高い経済的価値を持つようになってしまった時、有名になってお金持ちになれるからラッキーのようですが、芸術家としてはこれが最大の危機です。
※2022年7月6日に開催されたセミナー「芸術研究の世界:芸術とお金の密かな関係」に寄せられた質問です。
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