「キルケゴールとSNS」第9回 土曜の放課後2

11月15日(土)14:00より文哲研の共催セミナー「土曜の放課後2」の第9回目が開催されます。「土曜の放課後2」は全12回の連続セミナーとなっており、過去の哲学者や思想家に現代的なトピックを掛け合わせた講演を行っております。よろしければお申し込みの上、ご参加くださいませ。

第9回「キルケゴールとSNS

キルケゴールは、19世紀前半のデンマークの哲学者です。もしも彼が今生きていたら、インターネットやSNSについて何と言っただろうと想像してみるのは、面白いと思います。荒唐無稽な空想のように思われるかもしれませんが、必ずしもそうではないのです。キルケゴールの時代、新しいメディアとしての新聞が、人々の思考と人生観に大きな影響を与えはじめていました。キルケゴールはそうした新しいメディアの犠牲になり、今でいえば「炎上」したこともあるのです。


 私たちが「最先端」だと思っているネットやSNSや生成AIといったトピックは、その問題の本当に根本的なところを探ってゆくと、19世紀前半のヨーロッパで人々が経験していた文明上の変化に行き着きます。それは産業革命の進行に伴った、テクノロジーの生活世界への浸透です。この変化は文明の「進歩」として世界中に波及し、日本にも19世紀後半には入ってきました。そして21世紀前半の今、「進歩」だと思われていたこの変化の根底にある問題が次第に広く意識されつつあります。SNSにまつわる問題はその一つです。


 今回はキルケゴールの思考を紹介しながら、テクノロジー、メディア、コミュニケーションに関して、二世紀の時を隔てた対話を試みてみたいと思います。(吉岡 洋)

(吉岡 洋、哲学とアートのための12の対話 2025「土曜の放課後2」公式ページより引用)

哲学とアートのための12の対話 2025「土曜の放課後2」(公式ページ:https://yxy.kosugiando.art/

日程2025年11月15日(土)
時間14:00〜16:00(受付開始:13:30)
会場 京都市立芸術大学 C棟3階「講義室7」(C-316)
※ C棟西側入り口からエレベーターで3Fにお上がりください。
図書館脇の通路を通り、「関係者以外立ち入り禁止」の札を横目にそのまま通り抜けてください。
参加費通常1,000円/回
(京都市立芸術大学、京都芸術大学の学生は参加費が無料です)
 ※ 前日までに下記からお申し込みください。
 ※ 参加費は当日、会場受付にて頂戴します。
申し込みhttps://yxy.kosugiando.a/form/contact.php
 ※ 前日までにこちらのフォームからお申し込みください。
記録映像視聴https://yxy.kosugiando.art/form/contact_video.php
通常3,000円/10回
(京都市立芸術大学、京都芸術大学の学生は無料です)
 ※第2回から第11回までの記録映像をネット上で視聴いただけます。
 ※ ご希望の方はこちらからお願いします。視聴費は講座日でのお支払い、あるいは銀行振込となります。お支払い確認後に限定公開アドレスを連絡します。
主催土曜の放課後・実行委員会
(植田憲司、吉冨真知子、谷本研、二瓶晃、由良泰人、大西宏志、安藤泰彦、小杉美穂子)
共催京都芸術大学 文明哲学研究所、京都市立芸術大学 加須屋明子研究室
哲学とアートのための12の対話 2025「土曜の放課後2」

土曜の放課後。かつては会社も学校も土曜は午前だけ、午後はお休みでした。2002年に学校にも週休二日制が導入されたので、もはや「土曜の放課後」は存在しません。それでもこの言葉を聞くと私たちは、たんなるノスタルジーを越えた何かを感じるのではないでしょうか?

放課後とはいってみれば「ポカンと空いた時間」でした。何をするのでもない、何のためでもない時間。今の生徒たちは学校の後も部活や塾などで忙しいかもしれません。現代では誰もが、できるだけ無駄な時間を作らないように追い立てられています。休息や遊びですらそのための場所や時間が用意され、何のためでもない時間はなくなりました。

「哲学とアートのための12の対話」の出発点は、室井尚さんが強調した「考える=迷子になる」です。迷子になるには「何のためでもない時間」が必要であり、その点が、この催しが普通の教養講座とは違うところです。「考える」ためにあえて「ナビ」を捨て、土曜の放課後のような「ポカンと空いた時間」に赴くことが大切なのです。

2023年度は「現代を問う」というサブタイトルで、室井さんと共に計画していた12のトピックについてお話した後、参加者の間で対話しました。2024年度「土曜の放課後」では、全12回のうち5回、様々な分野で活躍されているゲストをお呼びし、彼らとの対話を織り交ぜながら進めました。2025年度「土曜の放課後2」においては、過去の哲学者や思想家に現代的なトピックをぶつけてみるという、時空を超えた「対話」を試みたいと思います。

吉岡洋 + 土曜の放課後・実行委員会